ラボラトリー体験学習を知る

体験学習の考え方について

コンテントとプロセスとは?

qラボラトリー方式の体験学習で使われるコンテントとプロセスとは、どのようなものですか?

 
 

a様々な活動を行っている時も、学校教育の現場でも、またプライベートの生活においても、私たちは多くの人々と共に時間と空間を共有しています。日常生活で、いつも何らかの体験をしながら人とともに生きているといえます。日常の体験、特に他者との関わりを考える時に、2つの視点-コンテントとプロセス-があります。
人間関係やグループ活動を観る一つの視点は、グループで取り組んでいる活動内容であったり、コミュニケーションでは話題であったりします。たとえば、自然活動体験をしている時には、オリエンテーリングでどのコースを歩くかとか、野外生活においてグループで食事の準備をして食事を共にするとか、夜のミーティングで明日はどのようなプログラムにするかを話し合っているとかいった事柄、これらは仕事とか課題、もしくは話題として表に見えている事柄です。これらをコンテント(活動内容)と呼びます。
もう一つの視点は、そうした活動内容を実践する際に、またある話題でコミュニケーションをしている時に、関係的な側面で何らかのことが起こっています。たとえば、グループ活動を行っている間に、またコミュニケーションをしている間に、一人ひとりがどのように話しているのかとか、誰がどのような影響を与えているのか与えられているのかなど、関係から生まれるさまざまな現象が起こっています。それをプロセス(今ここで起こっていること)とよびます。
これらコンテントとプロセスの2つの関係を、図に表すとすると、海に浮かぶ氷山のように描くことができます。この2つにズレが起こっている時に、特にプロセスに気づきやすくなります。たとえば、グループで偏見をいかになくすかという話題(コンテント)で話していても、話し合っているやりとりの中に偏見に満ちたやりとりがもし起こっている(プロセス)としたなら、コンテントとプロセスの不一致な状況が生まれているといえます。このズレに気づくこと、もしくは何が起こっているかに気づくことが体験から学ぶためにはとても大切になります。自然体験活動も含めて、幅広い教育現場を考えてみると、このプロセスをいかに扱うかがとても大切になります。いかに立派な教材を準備したり、自然環境が整った中での、教育を実践したりしていても、学習者の心の中に起こっていることや、教育者と学習者との間に起こっているプロセスに目を向けることがなければ、学習者の体験に基づいた学びにはなりません。プロセスに気づき、そのプロセスから学びが成立してこそ、ラボラトリー方式の体験学習が活かされた学習であるといえるでしょう。
体験学習は、このプロセスを観る目を養い、そのプロセスに働きかける力を育て、プロセスの中に主体的に生きる力を育てることを一つの目標にしています。


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