所長ブログ

2014年7月18日|

プロセス・エデュケーションが必要な訳(04)

 私たちの学習の領域には、ベンジャミン・ブルーム(1956)によると「教育目標のタキソノミー(分類学):“Taxonomy of educational objectives”として、3種類の学習領域があることが示されています。
(1)認知的領域(cognitive domain)
 一般的に知的な理解、概念的な理解が深まる学習領域をさし、組織的原理として精神的操作の複雑化であると考えられ、目標は知識→理解→応用→分析→統合→評価というかたちで高次化していくと考えられています。
(2)情意的領域(affective domain)
 学習に対する意欲や態度であり、組織的原理は価値・態度の内化といわれ、目標は受容(注意)→反応(興味)→価値づけ(態度)→価値の組織化(人生哲学)→価値または価値複合体による個性化(ライフスタイル)というかたちで高次化・内化すると考えられています。
(3)精神運動的領域(psychomotor domain)
 モータスキル、運動、技術にかかわる学習領域であり、組織的原理は神経系と筋肉系とのあいだの協応の達成が高まることです。デイヴの枠組みでは、模倣→巧妙化→精密化→分節化→自然化と高次化するとされています。
 このような三種類の領域において、学習を達成し、個人の力を育成することを考えると、いわゆる座学による教授学習形態では不十分であることはおわかりいただけると思います。特に(2)の上位的領域に関して、学ぶことへ意欲ややる気、また自分自身の生きるありようを身につけるためには、他者の話をただ聞き、インプットするだけでは不十分でしょう。他者とともに、活動をともにし、その人の姿を見たり、自分の姿を見たり、また他者と関わる体験を通して自分自身が揺さぶられたり、確信をもったりしながら、自分の物事や人への態度を形成していくことになるのでしょう。
 さらに、(3)精神運動的領域の学習に関しては、さらに体験を通して学ぶことの必要性は十分理解されるでしょう。自動車免許証をとろうとする場合には、最初に道路交通法やメカニカルな知識の理解のために、座学的な講習を受けたとしても、実際に実地体験がない人が車を適切に動かすことが難しいことは理解できるでしょう。運動技能は、やはり体験を通して学ぶことが必要になります。
 (1)認知的領域においてさえ、座学で一方的に知識の伝達、また文献などを読み研究を進めることで知的理解は深まるにしても、そうして獲得した知識を他者との交流を通して、確かなものになっていくのだろうと思います。
 これらの理由より、体験を通して学ぶ「プロセス・エデュケーション」は欠かせない学習アプローチとよべるのではないでしょうか?また、体験学習の循環過程の考え方には、体験を通して学ぶことだけでなく、認知的に学習することを好む人たちにも、また好まなくても認知的な学習の必要性も、逆に重要な視点としてもつことが考えられています。このことは、また別の機会にお話ししたいと思います。


2014年7月16日|

30年ほど前にTグループで出会った方との再会!

 7月14日(月)、午前11時30分に待ち合わせ。ハイヤーで南山大学北門に来られました。
 この方は、今は、大きな企業の副社長の要職をつとめられていらっしゃいます。
 私自身の今年一年の一つの区切りの年にあたり、一度お会いしたい方の一人でした。
 Tグループ参加から、私がTグループのファシリテーターとしてレビューし始め、ひよこの時代に出会った方です。久しぶりにお会いしてお話をしている中で、かなりきついことを津村は言ったようです。今から思えば恥ずかしい限りです。が、そうした津村の発言に、私は私の思いを語ればよいと強く思われたようです。それは、私の言葉に同意したというよりは、反発的な感情も伴っていたのかもしれません。それが、それとして、体験からの学びになっていると強く語ってくれました。また、体験を通して学ぶことはいろいろあると、学ぶことへの強い確信のようなものをお持ちのようでした。
 あれから、長い年月の中で、今でも、また今日、さらに確信として、体験学習を全社的な取り組みとして、実施されています。それは、すごいです。上述の体験学習への強い思いがあっての取り組みです。
 その体験学習は、2泊3日行われるそうです。その体験学習の宿泊研修には二つの柱と言うか、大きな要素があります。一つは、参加者が、部長クラス、執行部クラスから、入社2〜3年目の若い社員が混ざった異世代交流であることが特徴です。縦割りの異年齢のメンバーで構成されたグループで2泊3日を体験学習により過ごすのです。そして、全社あげてすべてのメンバーが参加するように、一度に35人前後の合宿を行い、同様の合宿を何十回とやられているのです。
 もう一つの特徴は、体験学習のふりかえりは、よかったこと、成功体験を拾いだしふりかえりを行っているのです。成功体験が次の成功体験を生むという考えです。
 これらのことは、ホールシステムアプローチの考え方であり、またAIアプローチの考えたです。ただ、この体験学習を導入されている方は、こうした横文字のアプローチをまったく知らずに、経験知をベースに取り組まれているのです。
 Tグループを終えた後に、説明し、配布されたGIBBの4つの懸念。この4つの懸念をいかに低減し、信頼し合う関係づくりを組織の中に生み出すか、それを一途に、取り組まれてきたと語ってくれました。
 ホールシステム・アプローチの方法論やAIアプローチの進め方の問題ではなく、執行役員はじめ上層部が本気で社員相互の関係(自分も含めて)信頼し合える関係にしようとするか、それを実現しているかどうかが大きいように感じました。
 長く、Tグループをはじめ、ラボラトリー方式の体験学習に関わってきた身としては、大いに刺激を受けると共に、励まされ、またこれからの歩みに自信を与えてくださいました。感謝です。
 また、どうしても組織開発の方法論に走り出しそうになるのですが、企業組織の中にいる人間が何を望んでいるかを明確にし、それを充足することが組織開発の核になるのでしょう。
 もう一度、現在までの自分の歩みをふりかえり、2015年度からのスタートを、いや今からの自分の歩みを、再吟味しようと思います。
 最後になりますが、この方が現在所属されている企業は、本当にここ数年右肩上がりの成果を生み出しているのです。このことが、体験学習による宿泊研修の必要性と意義を主張できる、大きな支えになっているようです。


2014年7月7日|

プロセス・エデュケーションの出版ご案内(遅ればせながら)

「プロセス・エデュケーション」というタイトルのブログを始めてから、やっと2012年10月に金子書房さんより同タイトルの出版物を刊行することができました。おかげで今は、第4刷に入ったようです。ありがたいことです。一度、書店で、もしくはネットでご覧ください。そして、できれば手にとっていただき、「プロセス・エデュケーション」の実践者になっていただきたいと考えています。よろしくお願いします。
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プロセス・エデュケーションが必要な訳(03)

 佐藤学氏(2006)は、学びというのは、基本的に「協同」であると考えています。彼は、デューイやビゴツキーの考えをベースに、学びとはコミュニケーションであると考えています。彼によると、「学び」とは、モノ(対象世界)との出会いと対話、他者との出会いと対話、自分自身との出会いと対話が三位一体となって遂行される「意味と関係の編み直し(re-contextualization)」の永続的な過程として定義されています。
 彼の考えに従うと、学びとは一人で行動変容や認知構造の変容が起こるのではなく、他者と交流する過程において生起すると考えられるのです。学びが成立するためには、おのずと小グループで学ぶ場づくりが必要になります。こうした学びを核とした「学びの共同体」づくりを、彼は学校改革の哲学に据えているのです。その哲学に「公共性」、「民主主義」、「卓越性」をあげています。学校は多様な人々が学び合う公共空間であり、すべて子供の学びの権利を実現する公共的な使命をもっているのです。そして、彼は、その「公共性」の原理は「民主主義」の原理に支えられており、それは多様な人々が協同する生き方(a way of associated living, デューイ)の哲学が根底にあると述べています。「卓越性」では、学びの場で自他のベストを尽くして最高のものを追求する態度の必要性を説いているのです。
 プロセス・エデュケーションでは、佐藤の言葉を借りるならば、これらの哲学がどのように実現できているのか、そしてその実現をめざしてどのようなかかわりが大切になるのかを、子ども同士の関係の中で、また子どもと教師との関係の中で、またはすべてを存在する教室という場の中でおこるプロセスという関係的視点から吟味することを目指しているのです。「今ここ」で、何が起こっているのか、しっかり見つめて、その場から生まれるプロセスを大切にしながら、学習者と教育者がともに学び合う場づくりが生まれることを実現するための態度とスキルを育てることができるのではないかと考えています。
 引用文献:佐藤学(2006).学校の挑戦−学びの共同体を創る 小学館 p.299.


2014年7月6日|

プロセス・エデュケーションが必要な訳(02)

 前回のブログでは、「自分で考える」ことの必要性、アウトプットがよければ、それでよいということなのだろうかということを書かせていただきました。そこには、人間にとって学ぶことが大切であるという考えがあります。そして、学びはとは何かを考えておく必要があります。
 人間が学ぶこと、それは環境の変化をとらえその変化に対応できるようになることといえるかもしれません。
 アージリスとショーン(1996)は、組織における学習プロセスには、シングル・ループ学習とダブル・ループ学習があることを提唱しています。シングル・ループ学習とは、問題状況に対してある解決策(モデルや理論)が示され、その行為とその結果で学習が成立している学習を指しています。シングル・ループ学習とは、花を咲かせるには、水が必要であると学び、水を絶えず切らさないように水やりを続ける行為といえばよいでしょうか。しかし、水を切らさずやっているにもかかわらず、花が咲かないことが起こります。それは、光がどのようにあたっているのか、室温はどのように維持されているのか、など背景にある変数に気づくプロセスをダブル・ループ学習とよばれます。
 ベストな結果が得られるだけの方法が与えられる学習では、環境の変化に気づき、その変化に対応できる学び方を学んでいるとはいえないでしょう。
 ラボラトリー方式の体験学習の循環過程を学ぶことは、まさにダブル・ループ学習のアプローチを学ぶことでもあります。行為(体験)を通して、何が起こっているのか(結果の観察)に気づき、なぜその結果になっているのか(分析)と背景にある変数を考え、新しい行動仮設を立てて、学習を展開していきます。体験から学ぶということは、まさにダブル・ループ学習を学ぶ機会になっているのです。
 このように学びは、他者から与えられるものではなく、自らが発見する過程を学ぶことであるといえます。


2014年6月21日|

プロセス・エデュケーションが必要な訳(01)

 一昨日の中日新聞に、ソフトウェア・電子回路設計のATシステム(浜松市中区)によって、お茶を入れる際のオフの温度と時間をはかり、飲みごろを知らせてくれる計測器「ティータイム」を開発した旨の記事が掲載されていました。
 温度計とタイマーを組み合わせた簡易な仕組みであるとのことです。沸騰したお湯にセンサーを入れ、お湯が設定した温度まで冷めるとブザーが鳴り急須に注ぐタイミングを知らせるようです。続いて、タイマーに切り替わり、飲み頃になると再びブザーが鳴る仕組みです。玉露や煎茶などお茶の種類、急須の素材によって時間と油温の設定を変えることができるそうです。
 なんと便利な道具が開発されていくのでしょうか?着実に、ある程度、品質を保証されたお茶をいただくことが、この機会によって可能になると思われます。
 ただ、この機会に頼ってお茶をいただくことになると、いつもお茶を飲むときにはこの機会を手放せなくなりそうです。この機会が手元にないと、おいしいお茶を頂戴することが難しくなるかもしれません。
 こうしたマシンの開発は、「体験から学ぶ」機会を失っていく(私たちから「体験から学ぶ」機会を奪っていく)ように思えてなりません。「体験から学ぶ」機会が失われると言うことは、学習者が体験を通して考える機会を失っていくことを意味しています。自分の行為をふりかえり、自分の行為に責任を感じ、自分の行為を自分の努力でよりよくしようとする意欲が育たないかもしれないですね。
 また、おいしいお茶を間違いなく飲めることを求められ、実現しようとする。このことは、失敗から学ぶこと、失敗を楽しむことを味わい損ねるのではないでしょうか?
 近年、こうした便利グッズは、たくさん目の前に現れて実用化されつつあります。こうした便利さの裏に、私たちが失っているもの・ことがあるのではないかと考えることは必要なのではないでしょうか?
 自分の体験を内省し、そこに起こるプロセスに気づき、そのデータを分析し、さらによりよくするための仮説化をするといった「体験から学ぶ」ことを大切にする「プロセス・エデュケーション」が今日特に大切になってきているのではないかと考えています。


2014年6月19日|

プロセス・エデュケーションが必要な訳(No.00)

 少々しまりの悪いブログの一区切りでしたが、TグループとBEGとの比較考を進めてきましたが、これまでのブログの内容と、ヤーロムの書籍からの学びと併せて、10月中旬開催の日本人間性心理学会第33回大会に向かおうと思います。
 今年の私のテーマは、前述のTグループとBEGとの比較考が一つ、また体験学習の循環過程「サイクルのステップ」について、網羅的に吟味することが一つ、もう一つは、プロセス・エデュケーション(ProEdu)にまつわる話題で、ProEduが必要なわけをいろいろと考えてみることです。そして、もう一つが、グループの変化・成長過程をできる限り多くの理論・モデルを紹介できるようになることです。これらのことが整ったら、「プロセス・エデュケーション」の第二版に手をつけようと考えています。
 結構、たくさんの仕事が待っています。体験学習の循環過程に関しては、だいぶ書き出すことができています。こちらも、どこかのタイミングでこのブログで紹介をしていきたいと考えています。
 まず、プロセス・江デュケーションは、学習者と学習者との関係、学習者と教育者との関係に起こるプロセスに焦点をあて、相互の信頼関係を築くことをベースにしています。その相互信頼をベースに、学習者自身の内部や外部環境とのかかわりの中で生じる出来事やプロセスに気づき、そこから生まれる学習者の興味・関心となる学びの動機を満たすように支援する働きの総称をプロセス・エデュケーションとよびたいと考えています。
 学習者は、環境が整えば、学びは楽しいものだと感じ、自らの興味・関心で、能動的に学びに向かうことができると考えています。このことは、マグレガーのY理論の考え方であり、ノールズのアダルトラーニングモデルの考え方でもあります。人は、学ぶことは楽しく、また自分が発見した問題に自分で答えたくなるそうしたニーズをもっていると考えています。
 また、その自由な発想や興味・関心が発露するためには、学習者相互や学習者と教育者との関係に相互依存、相互信頼の関係が構築されていることが重要であると考えています。
 学習者が体験していることをベースに、その体験を素材として、学びに転換していく支援が大切になると考えています。それは、ヒューマンスキルのような人間関係に関わる学習目標はもちろんのこと、学校教育における教科学習や組織開発などにおける問題解決の問題などにおいても、関係的視点は重要になります。
 それは、誰かに与えられて学ぶ受動的な学習ではなく、自分自身が学びの主体となって、自発的な意思で学びを構築していくような環境づくりが生まれてはじめて、そのような学びは成り立つのです。
 こうした学びを促進するためには、K.レヴィンらによって提唱された今ここでのプロセスを大切にしたラボラトリー方式の体験学習の実践を中心に考えることが有効であると考えています。
 キーワードの「プロセス」と「ラバ他とリー方式の体験学習」の理解が不可欠になるわけです。
 その前に、学習者が自発的、主体的になること、考える力を育てることが、現代社会において大切であることをしばらく考えてみたいと思います。


2014年6月9日|

手術からちょうど1ヶ月が経ちました!!

本日、病院に検査に出かけ、無事に回復の道を歩んでいることを確認してきました。
5月6日のGWの最終日に自転車で急ブレーキを握り、事故。5月9日に鎖骨骨折の箇所をチタンプレートをあて補強手術。あれから、ちょうど1ヶ月が経ちました。この1ヶ月、いろいろな時を過ごしました。
そんな中、この急ブレーキを握る行為から、二つのことを考えています。
一つは、疲れている中で無理をしないということです。ちょうど、あの時6日の時には、23Kmを走り目的地にたどり着き、楽しい時を過ごしました。そして、帰り行程で事故ってしまいました。少し、足も疲れ、心も少し疲れてきている中での事故でした。あまり無理をしちゃいけないというメッセージとして聴いています。そういう意味では、今年で一区切りをつけるには、ちょうどよいタイミングだったのかもしれません。無理して、現役を一生懸命続けていると、もっと大きな事故を起こしているかもしれません。まだまだ、この後の時間がありますので、慎重に日々を過ごさなければいけないと思っています。が、どうしても羽目をはずしてしまうこの私・・・うーん・・・つらいところです。
もう一つは、急に止まったら、止まれないと言うことです。事故ってしまうと言うことです。今年で一区切りですっきりと思っていますが、あまり一気に止まらないようにしなさいというメッセージとして受け取っています。仕事は、ぱたっとやめるのではなく、今の調子、流れを大切にしながら、やれる仕事は続けながら、生活をすることをしたいと考えています。
こうして、まだ右肩(鎖骨)を左手で押さえながらの、講義や研修ですが、地道に続けていきたいと思います。
本当にみなさまには、ご心配やご迷惑をおかけしました。


2014年5月19日|

GWからご無沙汰していました!!

 本日、5月19日(月)になってしまいました。
 私の不注意で、ゴールデンウィークの最終日5月6日(火)に卒業生とポタリング中に自転車事故を起こしてしまいました。港区の名古屋港ワイルドフラワーガーデン「ブルーボネット」を自宅(日進)から卒業生と一緒にめざし、お花に囲まれて、ツーショットの写真を撮ったり、スペシャルランチを食べた後、岐路の途中で自分の急ブレーキを握ってしまい、頭から転倒、かなりの出血と共に、鎖骨骨折をしてしまいました。事故直後にはこのような事態になっているとは思っていなかったのですが、救急車で運ばれ、翌日にはかなり鎖骨あたりが痛みました。
 最終的には、9日(金)午後3時30分に病室を出て、午後7時30分に病死に戻ってくると言う、4時間ほどの大手術になったようです。担当医の先生の手際よい、適切な処置によって、鎖骨はしっかり接合することができたようです。さすが、全身麻酔での手術でもあり、翌朝までかなりハードな(痛い)状況を過ごしました。手術の時間は1時間か1時間30分ぐらい、1泊2日で帰られるでしょうと、担当の先生は話されていたのですが、結果的にはなかなか難しい手術になってようです。結局、翌日土曜日ももう一泊宿泊し、翌日の10日日曜日の午後2時に、無事に退院することができました。
 あれから、1週間、頭は、イスラムハットを準備して、三角巾もつけて、過ごしました。昨日まで、土曜日と日曜日、家内に運転をお願いして、清里まで出かけ、秋に出版の予定をしている「インタープリタートレーニング」の編集会議を行ってきました。少し、ハードな二日間になったので、手術後の状況が少し心配になっていました。
 しかし、本日、担当医の外来診察があり、レントゲンを再度受け、手術後の様子も問題なく、手術後のあとに残り糸も無事に抜いてくださいました。手術から10日間たち、なんとか日常生活が送れる体になったことに、いろいろな方に感謝です。
 日々の生活をすべて介助してくれている家内はもちろんのこと、適切な手術をしてくださった医師団、その手術をサポートしてくださった麻酔の方、看護師さんたち、夜を徹して加除してくださった看護師さん、事故当時、救急車を呼んでくれた卒業生、車で通過中で止まってティッシュなどで応急手当をしてくださった方、授業をサポートしてくださった学科の先生、TAのスタッフ、そして、ゼミをはじめ多くの学生たちの支援、きりがないほどの方々の支援のもとで、今日までの治療にあたることができました。研究会等では、JIEL研究員の皆さんにも、多くの支援をいただきました。
 感謝感謝の日々でした。


2014年5月5日|

学部生とのファシリテータートレーニング(2泊3日)を終えて

 ご無沙汰です。
 本日まで、この連休期間2泊3日(5月3日〜5日)のファシリテーター・トレーニングを実施してきました。対象は、南山大学人文学部心理人間学科専門科目で、学内授業を前後に数回挟みながら、2泊3日の集中合宿を行いました。受講生は、31名(5〜6人からなる6グループ)でした。スタッフは、津村と、同僚の中村先生と二人でした。
 プログラムは、テキスト「人間関係トレーニング」と「プロセス・エデュケーション」を使ってその中の要素を、3日目の午後に、グループ外の学生を対象にワークやレクチャーなどをして、理解してもらうというプロジェクトグループを体験することでした。セッションとしては、8セッションぐらいあり、その中の6セッションは、他のグループから、また他のグループにファシリテーターとして派遣し、ファシリテーター体験をしながら、ファシリテーターのするファシリテーションのありようについて学ぶ合宿でした。グループを成長させることの取り組みも、また自分自身の取り組みも、またファシリテーターとしての学びをしようという、むちゃくちゃぜいたくなプログラムです。
 その中で、津村も学生の体験からの学びを聴きながら、たくさんの学びをいただきました。それらを整理したり、気づきを図示したりしたのが、下図の3枚です。少しだけ紹介させていただきます。
 一枚目は、初日のプログラムの中で、学生のふりかえり&わかちあいから聴かせていただいた内容から構成されています。一つは、タスクプロセスの視点からの気づき&学びと、メインテナンスプロセスからの気づき&学びがたくさん聴かせてもらえたことです。これらは、右にタスク、左にメインテナンスの気づき&学びを書き出しています。
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 そして、次のセッションでは、6グループのファシリテーターから気づき&学びを聴くことができました。それらは、Fマークで記しています。
 F:課題が始まる前に、今何をしているか?メンバーに尋ねた。意図は、ファシリテーターにはわからなかったので、ただ知りたくて聴いたのですが、それがメンバーにとっても、有益で、自分たちのことを確認する機会になったとのこと
 F:メンバーから質問されたときに、合間に応え、意思表示を明確にしなかったので、いつまでもファシリテーターに対して説明をすることにメンバーは時間をとり続けることになってしまったこと
 F:コンテントに入っているかどうかについて自覚していること
 F:コンテントに夢中になり、プロセスに光を当てられずにいたこと
 F:意思決定するための後押しを意図して、決めることの再確認「これでいいのですか?」とをしたこと
 F:どこに経っているか?意識してみることは大切であること:プロセスVSコンテント、グループVS個人、メンバーVSファシリテーター
などでした。初日にして、学生のすばらしいふりかえりでの気づき&学びに圧倒されました。
 そして、翌日には、E.シャインのORJIモデルを紹介し、この視点で、ファシリテーターのありよう(内的なプロセス)を振り返ることをしました。このふりかえり&わかちあい&全体インタビューでも、たくさんの気づき&学びを聴かせてもらいました。
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 特に、観察に関して、いかに見方がそれぞれによって違うか、この異なる視点の多様性に多くのファシリテーターやメンバーが気づくことができたようです。また、一連のORJIモデルの流れもかなり意識して読み取ることができるようになっているようです。その中で、津村が、E.シャインの10の原理のうち4つの原理をかなり明確に抽出することができたように思いました。
 それらは、以下の4つの原理です。上図の中からそのメッセージを見つけ出してみてください。
 ○無知へのアクセス!
 ○目の前の現実との接触を保て!
 ○あなたのすることはどれも介入である!
 ○常に、クライエントの力になろう!
そして、このORJIモデルを説明しながら、以前から考えていたフィードバックのモデルがくっきりと浮かび上がってきました。それが、下図です。
DSC01573.JPG
 まさに、評価せず、Iメッセージで伝えることを明確に示すことができるモデルだと考えています。
 それは、観察した他者の行為をまず記述して、その行為から感じた気持ちを表明し、その気持ちに続いて考えたこと、頭の中をよぎった言葉を語ることで、他者の行為のインパクトを私メッセージで伝えることができると考えられます。そして、さらなる影響として、私が考えたこと(思考や判断)から生まれた私の行為を語ることです。これらのことを適切に表現することで、十分なフィードバックを送ることになり、かなり効果的なフィードバックになるのではないでしょうか?
 以上、3点の図が、学生と共に体験し学ぶことができた代表的なことです。もちろん、学生のみなさんには御礼の気持ちで、上から2枚はプレゼントさせてもらいました。少しでも、読者の方にお裾分けをしたくて、ここに書くことにしました。また、いろいろなご意見をお聞かせください。
 ※写真の撮影が夜で、照明の関係で、あまりきれいに撮れていないことが残念です。チャンスがあれば、いつか差し替えます。


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